観光大国日本・京都へ行こう~Vol.16「高台寺」

コラム

京都「高台寺」完全ガイド – 豊臣秀吉とねねの愛が息づく安土桃山文化の至宝

京都府おすすめ観光スポット紹介シリーズ第16回目は、豊臣秀吉の正室・北政所ねねが夫の菩提を弔うために建立した「高台寺」をお届けします。安土桃山時代の華やかな文化を今に伝える貴重な文化遺産であり、春の桜と秋の紅葉、そして幻想的な夜間ライトアップで知られる京都東山を代表する名刹です。

高台寺とは – 夫への永遠の愛が生んだ寺院

高台寺は、京都東山エリアの静かな丘陵に佇む臨済宗建仁寺派の禅宗寺院です。1606年(慶長11年)、日本の歴史上最も有名な夫婦の一組、豊臣秀吉と北政所ねねの愛の証として創建されました。

正式名称は「鷲峰山高台寿聖禅寺(じゅほうざんこうだいじゅしょうぜんじ)」といい、安土桃山時代の華やかな文化を今に伝える貴重な文化遺産として、国内外の観光客を魅了し続けています。

境内には霊屋、開山堂、観月台など、創建当初から残る重要文化財が点在し、桜と紅葉の名所としても知られています。特に夜間ライトアップは京都を代表する観光イベントとして人気を集めています。

高台寺の歴史 – 秀吉とねねの物語

豊臣秀吉と北政所ねね

豊臣秀吉(1537-1598年)は、農民の子から天下人へと昇りつめた戦国時代を代表する武将です。その正室・北政所ねね(1548-1624年、または1549-1624年)は、秀吉が織田信長の家臣として仕えていた貧しい時代から支え続けた内助の功で知られています。

ねねは秀吉の死後、1588年には天皇から従一位(女性が受けられる最高位)を授けられ、1603年には後陽成天皇から「高台院」の院号を賜るなど、日本史上最も栄達した女性の一人として知られています。

寺院の創建

1598年、63歳で秀吉が伏見城で亡くなると、ねねは悲しみに暮れながらも夫の菩提を弔うことを決意しました。秀吉の死後3年を経た1601年から、東山に寺院の建立を開始します。

興味深いことに、この寺院の建設を財政的に支援したのは、秀吉の死後天下を掌握した徳川家康でした。家康はねねを丁重に扱い、莫大な援助を行いました。これには、秀吉の遺児・豊臣秀頼を擁護する大名たちに対し、「徳川は豊臣に対して敵意がない」と示す政治的な意味があったとされています。

ねねの晩年

1606年、58歳のねねは出家して高台院湖月尼と名乗り、完成した高台寺に移り住みました。以後77歳で亡くなるまでの約19年間、この寺で夫を偲びながら静かに余生を過ごしました。

ねねは庭園の月を眺めながら、秀吉との思い出に浸る日々を送ったと伝えられています。その姿は、戦国の世を生き抜いた強い女性でありながら、夫への深い愛を貫いた一人の女性の姿として、今も多くの人々の心を打ちます。

必見スポット完全ガイド

1. 霊屋(おたまや)- 重要文化財

高台寺の中心的建築物である霊屋(霊廟)には、豊臣秀吉とねねの木像が安置されています。二人の像は向かい合うように配置され、死後も永遠に寄り添う夫婦の姿を表現しています。

高台寺蒔絵の至宝

内部を飾る須弥壇と厨子は、「高台寺蒔絵」として知られる金銀粉を散りばめた豪華な漆工芸で装飾されており、安土桃山時代の美術の最高峰を体現しています。

蒔絵とは、漆器の表面に金粉や銀粉で文様を描く日本独特の技法です。高台寺蒔絵は、秋草や菊、桐などの文様を金銀で表現した華麗な装飾で、当時の最高の職人技術が集結した傑作です。

黒漆地に金銀が輝く様は、安土桃山時代の豪華絢爛な文化を象徴しており、桃山文化の粋を今に伝える貴重な文化財として、国の重要文化財に指定されています。

2. 開山堂(かいざんどう)- 重要文化財

創建当初から残る貴重な建築物で、高台寺の初代住職・三江紹益禅師を祀っています。堂内の天井には、秀吉が使用した御船の天井板が用いられており、秋草や動物の絵が描かれています。

小堀遠州作の庭園

開山堂が立つ池泉回遊式庭園は、江戸時代初期の天才庭園デザイナー・小堀遠州の作と伝えられています。池を中心に、石組み、植栽、橋が絶妙に配置され、四季折々の美しさを見せます。

春には桜、夏には新緑、秋には紅葉、冬には雪景色と、季節ごとに異なる表情を楽しめます。特に池に映る紅葉の姿は、高台寺を代表する絶景の一つです。

3. 観月台(かんげつだい)- 重要文化財

開山堂と霊屋を結ぶ屋根付きの回廊で、「臥龍廊(がりょうろう)」とも呼ばれます。龍の背のように波打つような屋根の形状が特徴的で、建築美としても高く評価されています。

この回廊は「観月台」とも呼ばれ、ねねが秀吉を偲びながら月を眺めた場所として知られています。池に映る月の美しさは格別で、静寂の中で夫婦の絆を感じることができる特別な空間です。

4. 茶室「傘亭」「時雨亭」- 重要文化財

丘の上には、茶聖・千利休が設計したと伝わる茶室が2棟あります。

傘亭(からかさてい)

竹で組んだ天井が傘を開いたような形状をしていることから「傘亭」と名付けられました。千利休の美意識が凝縮された、わびさびの極致とも言える茶室です。

時雨亭(しぐれてい)

二階建ての茶室で、傘亭と土間廊下で結ばれています。秀吉が茶の湯を愛好したことを物語る貴重な建築です。

茶室へ続く小径は竹林に囲まれ、都会の喧騒を忘れさせる静謐な空間を作り出しています。竹林を抜けながら茶室へ向かう道のりは、まさに茶道における「露地」の精神を体現しています。

5. 方丈(本堂)と枯山水庭園

現在の方丈は1912年の火災後に再建されたものですが、前庭には白砂で大海を表現した見事な枯山水庭園が広がっています。

白砂の波紋と石組みが生み出す静寂な美しさは、禅の精神を視覚化したものです。春と秋には、この庭園に現代アート作品が展示されることがあり、伝統と革新の融合を楽しめます。

6. 勅使門と唐門

勅使門は、秀吉が建てた伏見城の遺構を移築したものと伝えられています。桃山時代の建築様式を今に伝える貴重な門です。

7. 鐘楼と偃月池(えんげつち)

境内には美しい鐘楼があり、その前に広がる偃月池は、月の形を模した池です。この池も、ねねが月を愛でた場所として知られています。

四季の美しさと夜間ライトアップ

春(3月下旬〜4月上旬)- 桜の名所

境内には約50本の桜が植えられており、春には淡いピンクの花々が境内を彩ります。特に開山堂周辺の枝垂桜は見事で、池に映る桜の姿は絶景です。

春の夜間ライトアップでは、ライトに照らされた桜が幻想的な美しさを見せます。

秋(11月中旬〜下旬)- 紅葉の絶景

高台寺は京都を代表する紅葉の名所として知られています。境内が燃えるような赤とオレンジに染まり、特に開山堂周辺の紅葉は圧巻です。

秋の夜間特別拝観とライトアップ

秋には特別な夜間ライトアップが開催され、庭園や建造物が幻想的に照らし出されます。池に映る紅葉のリフレクションや、プロジェクションマッピングは、訪れる人々を魅了する圧巻の光景です。

期間:10月下旬〜12月上旬(年により変動) 時間:日没後〜22:00(受付終了21:30) 料金:通常拝観料に含まれる

夏・冬

夏の新緑、冬の雪景色もそれぞれ美しく、四季を通じて訪れる価値があります。

拝観情報とアクセス

基本情報

住所:〒605-0825 京都市東山区下河原町526
電話:075-561-9966
公式サイト:https://www.kodaiji.com/

拝観時間

通常:9:00〜17:30(17:00受付終了)
夜間特別拝観期間:日没後〜22:00(21:30受付終了)

定休日

なし(年中無休)

拝観料

  • 高台寺+掌美術館:600円
  • 高台寺+掌美術館+圓徳院:900円
  • 夜間特別拝観:通常拝観料と同額

アクセス方法

バス(おすすめ)

  • 京都駅から市バス206系統で約15分
  • 「東山安井」バス停下車、徒歩7分

電車

  • 京阪電車「祇園四条駅」から徒歩15分
  • 阪急電車「河原町駅」から徒歩20分

徒歩

  • 清水寺から徒歩15分
  • 八坂神社から徒歩10分

駐車場

あり(有料、台数限定)

周辺の見どころとモデルコース

ねねの道

高台寺を出ると、ねねが歩いたとされる石畳の小径「ねねの道」が祇園方面へと続いています。この風情ある通りには、カフェやショップが立ち並び、散策を楽しめます。

石畳と京町家が続く道は、京都らしい雰囲気を存分に味わえる人気の散策路です。

圓徳院(えんとくいん)

高台寺の塔頭寺院で、ねねが実際に晩年を過ごした場所です。北庭には小堀遠州作と伝わる枯山水庭園があり、秋には美しい紅葉が楽しめます。

共通券:高台寺との共通券900円でお得に拝観できます。

高台寺掌美術館

ねねゆかりの宝物や高台寺蒔絵の工芸品が展示されています。安土桃山時代の美術工芸の粋を間近で鑑賞できる貴重な施設です。

周辺観光スポット

清水寺(徒歩15分):京都を代表する世界遺産

八坂神社(徒歩10分):祇園祭で有名な神社

祇園(徒歩15分):京都最大の花街

二年坂・三年坂(徒歩10分):風情ある石畳の坂道

おすすめモデルコース

半日コース(3〜4時間)

  1. 高台寺拝観(1時間)
  2. 圓徳院拝観(30分)
  3. ねねの道散策(30分)
  4. 二年坂・三年坂散策(30分)
  5. 清水寺拝観(1時間)

夜間ライトアップコース

  1. 昼間:清水寺→二年坂・三年坂→高台寺
  2. 夕方:周辺でディナー
  3. 夜間:高台寺夜間特別拝観

訪問のコツと注意事項

所要時間

  • 境内のみ:約45分
  • 圓徳院を含む:約1.5時間
  • じっくり見学:2時間

ベストシーズン

春(3月下旬〜4月上旬):桜の季節
秋(11月中旬〜下旬):紅葉の季節(最も混雑)

混雑回避

ライトアップ期間中、特に紅葉シーズンの週末は大変混雑します。早朝または平日の訪問がおすすめです。

写真撮影

  • 境内の写真撮影は可能ですが、堂内は撮影禁止
  • 動画撮影、三脚・自撮り棒の使用は禁止
  • 夜間ライトアップは撮影可能

特別体験

座禅体験も可能です(要事前予約)。詳細は公式サイトでご確認ください。

まとめ

高台寺は、単なる観光スポットではなく、日本の歴史における最も感動的な愛の物語が息づく場所です。秀吉とねねの絆、安土桃山時代の華麗な美術、日本庭園の美しさ、そして四季折々の自然の彩り——これらすべてが融合し、訪れる人々に忘れられない体験を提供してくれます。

特に秋の紅葉ライトアップは、京都観光のハイライトとも言える絶景で、幻想的な光景は一生の思い出となるでしょう。ねねが見た景色を通じて、400年以上前の日本の歴史と文化に触れることができます。

京都東山エリアを訪れる際には、ぜひこの歴史と文化の宝庫・高台寺を訪問し、豊臣秀吉とねねの愛の物語、安土桃山文化の粋、そして日本庭園の美しさを心ゆくまで体感してください。


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