京都「京都御所」完全ガイド – 千年の歴史が息づく皇室文化の中心地
京都府おすすめ観光スポット紹介シリーズ第9回目は、約1000年以上にわたって天皇の住まいとして使用された「京都御所」をお届けします。平安時代から明治時代まで、日本の政治と文化の中心地として機能してきた、日本の皇室文化を体験できる特別な場所です。
京都御所とは – 千年続いた天皇の住まい
京都御所は、794年の平安京遷都から1869年の明治維新まで、約1000年以上にわたって天皇の住まいとして使用された歴史的建造物です。現在の場所に定着したのは1331年の光厳天皇の即位以降で、明治天皇が東京へ移られるまでの約540年間、ここが日本の政治と文化の中心地でした。
現在の建物は1855年(安政2年)に再建されたもので、江戸時代後期の姿を今に伝えています。平安時代の寝殿造や室町時代の書院造など、日本建築の粋を集めた建築様式が見事に融合しており、日本の伝統建築の歴史を一度に学べる貴重な場所となっています。
広大な京都御苑の中心に位置する京都御所は、2016年から通年一般公開されており、事前予約なしで無料で見学できるようになりました。これにより、より多くの人々が日本の皇室文化と歴史に触れることができるようになっています。
京都御所の歴史 – 平安時代から現代へ
平安時代 – 都の誕生
794年、桓武天皇が平安京に遷都した際、御所は現在の場所よりも西側にありました。しかし、度重なる火災により焼失と再建を繰り返し、南北朝時代の1331年に現在の場所に定着しました。
室町時代から江戸時代 – 幾度もの再建
応仁の乱(1467-1477年)をはじめ、京都御所は何度も火災に見舞われました。その度に再建され、時代ごとの建築様式や文化が加えられていきました。現在の御所は1855年に孝明天皇のために再建されたもので、これが最後の再建となりました。
明治時代以降 – 東京遷都後も守り続けられた歴史
1869年、明治天皇が東京へ移られた後も、京都御所は「京都の皇宮」として維持され続けました。明治、大正、昭和の三代にわたる天皇の即位礼が京都御所の紫宸殿で行われ、日本の皇室文化の継承において重要な役割を果たし続けています。

必見スポット完全ガイド
1. 紫宸殿(ししんでん)- 最高格式の正殿
京都御所で最も格式の高い建物である紫宸殿は、天皇の即位礼などの重要な国家儀式が行われた場所です。南北33メートル、東西23メートルという堂々たる規模を誇り、檜皮葺(ひわだぶき)の屋根は日本の伝統技法で作られています。
高御座と御帳台
殿内には天皇の玉座である「高御座(たかみくら)」と、皇后の座である「御帳台(みちょうだい)」が置かれています。これらは漆塗りに金箔を施した豪華な造りで、八角形の屋根を持つ独特な形状をしています。明治、大正、昭和の三代の天皇即位礼で実際に使用されました。
令和の即位礼では、これらが東京に運ばれ使用されましたが、現在は京都御所に戻されています。
左近の桜と右近の橘
紫宸殿の前庭には、向かって左側に「左近の桜」、右側に「右近の橘」が植えられています。これは平安時代から続く伝統的な配置で、桜は日本の春を、橘は不老不死を象徴しています。春には桜が美しく咲き誇り、紫宸殿の荘厳な雰囲気に華やかさを添えます。
2. 清涼殿(せいりょうでん)- 天皇の日常生活の場
清涼殿は、天皇が日常的に政務を執り行い、生活された建物です。平安時代の寝殿造の様式を今に伝える貴重な建築で、当時の宮廷生活の雰囲気を感じることができます。
守り神の狛犬
清涼殿には、「守り神」として知られる2匹の狛犬が置かれています。これらは災いから天皇を守るとされ、平安時代から受け継がれてきた伝統です。
平安時代の様式
建物は白木造りで装飾を抑えた簡素な美しさが特徴です。これは平安時代の「やまと絵」や『源氏物語』に描かれる宮廷の雰囲気を今に伝えており、当時の貴族文化の雅やかさを感じることができます。
3. 小御所(こごしょ)と御学問所(おがくもんじょ)
小御所は、天皇が臣下と対面したり、儀式を行ったりする場所として使用されました。隣接する御学問所は、和歌の会や学問の場として使われた建物です。
これらの建物の間には美しい庭園があり、白砂と松を配した簡素ながら格調高い空間が広がっています。幕末の「小御所会議」もここで開かれ、明治維新の歴史的な舞台となりました。
4. 諸大夫の間(しょだいぶのま)- 身分別の控えの間
朝廷への訪問者が身分に応じて待機した部屋で、三つの間に分かれています。
虎の間:最も格式が高く、摂政・関白・大臣クラスが使用 鶴の間:中位の公卿が使用 桜の間:下位の公卿や諸侯が使用
それぞれの部屋の襖絵は狩野派の絵師によって描かれており、虎、鶴、桜の美しい絵が部屋の格式を表現しています。これらの襖絵は、江戸時代の絵画芸術の粋を今に伝える貴重な文化財です。
5. 御常御殿(おつねごてん)- 天皇の私的な住まい
御常御殿は、天皇が日常生活を送られた建物で、最も私的な空間でした。書院造りの建築様式で、15の部屋から構成されています。ここでは公的な儀式ではなく、家族との時間や休息の時間が過ごされました。
6. 御池庭(おいけにわ)- 回遊式庭園の傑作
小御所の東側に広がる御池庭は、池を中心とした回遊式庭園で、京都御所を代表する庭園です。大きな池には島が配され、周囲には松や紅葉が植えられています。
四季折々の景色が楽しめ、特に秋の紅葉は見事です。池に映る紅葉と建物の姿は、まさに日本庭園の美の真髄を体現しています。
京都御苑 – 都市のオアシス
京都御所は、広大な京都御苑の中心に位置しています。この公園は南北約1300メートル、東西約700メートルに及び、面積は約65ヘクタール。約5万本の樹木が植えられた都市の中のオアシスとなっています。
近衛池の枝垂れ桜
公園の北西部にある近衛池周辺には、約60本の枝垂れ桜が植えられており、京都の桜の名所として知られています。3月下旬から4月中旬にかけて見頃を迎え、薄紅色の花が池の水面に映る姿は息をのむ美しさです。
閑院宮邸跡
御苑内には、江戸時代の宮家の一つである閑院宮の邸宅跡があり、現在は展示施設として公開されています。京都御苑の歴史や自然について学べる貴重な場所です。
市民の憩いの場
京都御苑は24時間開放されており、早朝のジョギングや散歩、休日のピクニックなど、市民の憩いの場として親しまれています。砂利道、芝生、木立が美しく整備され、都会の喧騒を忘れさせてくれる静寂な空間です。

拝観情報とアクセス
拝観時間
4月〜8月:9:00〜17:00(最終入場16:20) 3月・9月:9:00〜16:30(最終入場15:50) 10月〜2月:9:00〜16:00(最終入場15:20)
休館日
- 毎週月曜日(月曜が祝日の場合は翌平日)
- 年末年始(12月28日〜1月4日)
- 特別行事開催時
入場料
無料(事前予約不要)
アクセス方法
住所:〒602-0881 京都府京都市上京区京都御苑3 電話:075-211-1215(宮内庁京都事務所)
地下鉄でのアクセス(最もおすすめ):
- 地下鉄烏丸線「今出川駅」:下車徒歩5分(3番出口)- 御所北側入口に最も近い
- 地下鉄烏丸線「丸太町駅」:下車徒歩5分(1番出口)- 御所南側入口に近い
京都駅から:
- 地下鉄烏丸線で今出川駅まで約10分、運賃260円
バスでのアクセス:
- 市バス「烏丸今出川」下車、徒歩すぐ
訪問のコツとおすすめ時間
ベストシーズン
春(3月下旬〜4月中旬):御苑内の桜が満開となり、特に近衛池の枝垂れ桜は必見です。紫宸殿前の「左近の桜」も美しく咲き誇ります。
秋(11月上旬〜下旬):紅葉が美しく、御池庭の紅葉は特に見事です。朝の光が差し込む時間帯は格別の美しさです。
夏・冬:観光客が比較的少なく、静かに見学できます。
おすすめの訪問時間
開門直後(9:00〜10:00):観光客が少なく、静寂な雰囲気の中でゆっくりと見学できます。
平日の午前中:土日祝日は混雑するため、可能であれば平日がおすすめです。
所要時間:御所のみなら1〜1.5時間、御苑の散策を含めると2〜3時間を見込んでください。
ガイドツアーと音声ガイド
無料音声ガイドアプリ:日本語、英語、中国語、韓国語、フランス語、スペイン語に対応しており、スマートフォンでダウンロードして利用できます。
英語ガイドツアー:事前予約制で、より詳しい解説を聞きながら見学できます。

訪問時の注意事項
建物の見学について
- 建物は外観のみの見学となり、内部には入れません
- 建物の周囲を回遊しながら、窓や扉から内部を覗くことができます
- 柵や立入禁止エリアには入らないようにしましょう
撮影について
- 敷地内での写真撮影は可能です
- 他の見学者への配慮を忘れずに
- 三脚の使用は制限される場合があります
服装と持ち物
- 歩きやすい靴:御所と御苑を合わせると相当な距離を歩きます
- 日傘・帽子:夏場は日差しが強いです
- 防寒対策:冬場は底冷えすることがあります
周辺の見どころとモデルコース
徒歩・バス圏内の観光スポット
下鴨神社(バス15分):世界遺産の古社で、糺の森が美しい
北野天満宮(バス20分):学問の神様を祀る神社、梅の名所
二条城(徒歩20分):世界遺産の城郭、徳川家の栄華を伝える
京都府立植物園(徒歩15分):日本最古の公立植物園
おすすめモデルコース
半日コース(3〜4時間):
- 京都御所見学(1.5時間)
- 京都御苑散策(1時間)
- 下鴨神社参拝(1時間)
一日コース:
- 京都御所見学(1.5時間)
- 京都御苑散策・ランチ(1.5時間)
- 二条城見学(2時間)
- 北野天満宮参拝(1時間)
京都御所が伝える日本の皇室文化
京都御所は、千年以上の歴史を有する建築様式、美しい障壁画や調度品、そして手入れの行き届いた庭園を通じて、日本の宮廷文化の真髄を今に伝えています。
紫宸殿の荘厳な佇まい、清涼殿の雅やかな雰囲気、御池庭の自然との調和は、日本の美意識の根底にある「わび・さび」や「雅(みやび)」の精神を体現しています。
ここはかつて天皇が住まわれ、重要な国家儀式が執り行われた場所であり、『源氏物語』や『枕草子』に描かれた平安貴族の世界が今も息づいています。建物の配置、庭園の設計、細部の装飾に至るまで、すべてに意味があり、日本の伝統文化の深さを感じることができます。
まとめ
京都御所は、約1000年以上にわたって天皇の住まいとして使用された、日本の皇室文化と歴史を体験できる特別な場所です。無料で見学できるようになった現在、より多くの人々がこの貴重な文化遺産に触れることができます。
平安時代から続く建築様式、美しい庭園、そして歴史の重みを感じさせる荘厳な建物群は、日本の伝統文化の粋を今に伝えています。広大な京都御苑と合わせて訪れれば、都会の中にありながら日本の歴史と自然の美しさを心ゆくまで堪能できます。
京都を訪れる際には、ぜひこの歴史的な聖地を訪れて、日本の皇室文化と建築美の素晴らしさを体験してください。千年の時を超えて受け継がれてきた日本の美意識と精神性に、きっと深い感動を覚えることでしょう。
当店舗「TRAVELBAG」に荷物をお預けいただいたり、配送サービスをご利用いただくことで、身軽に京都御所の広い敷地や京都御苑の散策をお楽しみいただけます。ぜひ活用いただき、存分に京都の歴史と日本の皇室文化を満喫してください。

