観光大国日本・奈良へ行こう～Vol.28「談山神社」

奈良県桜井市の静かな山間、多武峰（とうのみね）に佇む「談山神社（たんざんじんじゃ）」は、日本史の重要な転機である「大化の改新」ゆかりの地として知られています。

その起源は1300年以上前。世界唯一の木造十三重塔と、極彩色に彩られた社殿群が深い森と調和し、春の桜や秋の紅葉シーズンには、息をのむような絶景が広がります。

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歴史の舞台—「大化の改新」の密談が行われた神聖な地

談山神社の名は、飛鳥時代のある歴史的事件に由来しています。中大兄皇子（後の天智天皇）と中臣鎌足（のちの藤原鎌足）がこの地で「談合（かたらい）」を行い、蘇我氏の独裁を打倒する「大化の改新」を決意したという伝説が残されています。

この密談の地「談い山（かたらいやま）」が後に「談山神社」となり、701年に創建されました。以来、藤原鎌足を祀る神社として、多くの歴史ファンや参拝者に愛されています。

世界で唯一現存する木造の十三重塔。朱塗りの外観が青空や紅葉の赤と見事に調和し、撮影スポットとしても人気です。高さ17mを誇り、近くで見るとその迫力に圧倒されます。

境内には本殿、拝殿、楼門など美しく塗られた建築物が点在。屋根には「檜皮葺（ひわだぶき）」が施され、日本古来の建築美を堪能できます。

恋愛成就のパワースポット「恋神社」は、140段の石段の途中にあります。ご神体の「むすびの岩座」に触れて良縁を願う参拝者で賑わいます。

春（3月下旬〜4月中旬）：500本以上の桜が咲き誇り、樹齢600年の「ウスズミザクラ」は圧巻。
夏：深緑と蝉時雨に包まれる静寂な参拝が楽しめます。
秋（11月中旬〜12月上旬）：約3,000本のモミジやイチョウが境内を紅に染め、紅葉の名所として知られます。夜間ライトアップも開催され幻想的な世界が広がります。
冬：雪化粧をまとった社殿や塔の風景もまた格別です。