観光大国日本・京都へ行こう~Vol.18「八坂神社」

コラム

京都「八坂神社」完全ガイド – 祇園さんと親しまれる厄除けと縁結びの総本社

京都府おすすめ観光スポット紹介シリーズ第18回目は、京都の繁華街・祇園エリアの東端に位置する「八坂神社」をお届けします。地元の人々から親しみを込めて「祇園さん」と呼ばれ、日本三大祭の一つ「祇園祭」で知られる、京都を代表する神社です。

八坂神社とは – 全国約3,000社の総本社

八坂神社は、平安京遷都(794年)以前から存在する古社で、日本全国にある約3,000社の八坂神社・素戔嗚尊を祀る神社の総本社として崇敬を集めています。

京都の繁華街である祇園の中心に位置し、四条通の東端に鮮やかな朱色の西楼門が堂々と佇む姿は、京都を象徴する風景の一つです。24時間参拝可能で、昼夜を問わず多くの参拝者や観光客で賑わっています。

主な特徴

主祭神:素戔嗚尊(すさのをのみこと)- あらゆる災厄を祓う神様
創建:約1350年以上前(斉明天皇の時代、656年)
文化財:国宝の本殿をはじめ、重要文化財も多数
ご利益:厄除け、疫病退散、縁結び、美容、商売繁盛など多岐にわたる

八坂神社の歴史 – 疫病退散から始まった信仰

創建の由来

八坂神社の創建については複数の説がありますが、斉明天皇2年(656年)、高麗より来日した伊利之使主(いりしおみ)が新羅国の牛頭山に座した素戔嗚尊を山城国八坂郷に祀ったのが始まりとされています。

当初は「祇園社」「祇園感神院」などと称され、京都の人々の信仰を集めました。明治維新後の神仏分離令により、現在の「八坂神社」の名称となりました。

疫病退散の神様

869年(貞観11年)、京都で疫病が大流行した際、当時の人々は神の怒りによるものと考え、御霊会(ごりょうえ)を行って疫病退散を祈願しました。これが現在の祇園祭の起源となっています。

以来、八坂神社は疫病退散・厄除けの神様として篤く信仰され、特に平安貴族や武士階級から庶民まで幅広い層の崇敬を集めました。

祇園信仰の広がり

室町時代から江戸時代にかけて、祇園信仰は全国に広がり、各地に八坂神社や祇園社が建立されました。現在では全国に約3,000社の分社があり、八坂神社はその総本社として特別な地位を占めています。

建築の見どころ完全ガイド

1. 西楼門(重要文化財)- 八坂神社のシンボル

四条通の正面に堂々と佇む朱塗りの西楼門は、明応6年(1497年)に建立された八坂神社の象徴です。高さは約10メートルあり、その鮮やかな朱色は遠くからでも目を引く存在感を放っています。

建築の特徴

二層構造の楼門で、一階部分は通路、二階部分は楼閣となっています。屋根は入母屋造・檜皮葺で、軒下には精巧な組物が施されており、室町時代の建築技術の粋を今に伝えています。

門の前には大正15年(1926年)に奉納された立派な狛犬が参拝者を迎えます。この西楼門は、四条通から見える京都の顔として、多くの観光客の撮影スポットとなっています。

2. 本殿(国宝)- 祇園造の傑作

境内の奥に鎮座する本殿は、平安時代の建築様式を今に伝える貴重な建造物で、2020年12月に国宝に指定されました。

祇園造とは

「祇園造」と呼ばれる独特の構造が特徴で、本殿と拝殿が一体となった珍しい建築様式です。通常の神社建築では本殿と拝殿が別々の建物ですが、八坂神社では両者が一つの屋根で覆われています。

現在の本殿は承応3年(1654年)に徳川家綱によって再建されたもので、屋根は檜皮葺で、優美な曲線美を楽しめます。建物全体が朱色に塗られ、金箔の装飾が施された豪華な造りとなっています。

3. 舞殿 – 祭礼の中心

本殿の手前に建つ舞殿は、神事や奉納行事が行われる重要な建物です。提灯が吊るされた舞殿は、特に夜間に幻想的な美しさを見せます。

祇園祭の期間中には、ここで様々な神事が執り行われ、祭りの中心的な役割を果たします。また、初詣の時期には、この舞殿周辺が特に賑わいます。

4. 美御前社(うつくしごぜんしゃ)- 重要文化財

本殿の東側にある美御前社は、天正19年(1591年)建立の重要文化財です。ここには宗像三女神(多岐理毘売命、多岐津比売命、市杵島比売命)が祀られており、美容・芸能・財福のご利益があるとされ、特に女性参拝者に人気です。

美容水

社の前にある「美容水」は、神水として知られており、2〜3滴肌につけると美しくなれると言い伝えられています。多くの女性が美容と健康を願って訪れる、八坂神社の人気スポットの一つです。

5. 南楼門

東大路通に面して建つ南楼門は、八坂神社のもう一つの正門です。石段を登った先に建つこの門も、西楼門と同様に朱塗りの美しい楼門で、重要文化財に指定されています。

境内の魅力的なスポット

大国主社 – 縁結びの神様

縁結びの神様として知られる大国主命(おおくにぬしのみこと)を祀る社です。恋愛成就を願う若者たちで賑わい、ハート形の絵馬が数多く奉納されています。

良縁を願う方、恋愛成就を願う方は、ぜひこちらにもお参りください。大国主命は因幡の白兎の神話でも知られる優しい神様です。

刃物神社 – 職人の守り神

料理人や理美容師など、刃物を使う職業の方々が参拝に訪れる珍しい神社です。包丁や鋏などの刃物を納めることができ、職業の安全と技術向上を祈願します。

疫神社(えきじんじゃ)

素戔嗚尊の荒御魂を祀る摂社で、疫病除けのご利益があります。7月31日には「疫神社夏越祭」が行われ、茅の輪くぐりで夏の無病息災を祈願します。

手水舎

明治20年(1887年)建造の南手水舎と、昭和3年(1928年)建造の西手水舎があります。参拝前にここで心身を清めるのが正しい作法です。

清らかな水で手と口を清め、心を整えてから本殿へ向かいましょう。

祇園祭との深いつながり – 日本三大祭

八坂神社は、日本三大祭のひとつに数えられる「祇園祭」の舞台として世界的に有名です。毎年7月1日から31日まで1ヶ月間にわたって開催されるこの祭りは、869年(貞観11年)に疫病退散を祈願して始まった「祇園御霊会」がルーツです。

祇園祭のハイライト

前祭山鉾巡行(7月17日):23基の山鉾が京都の中心部を巡行します。「動く美術館」とも称される豪華絢爛な山鉾の姿は圧巻です。

後祭山鉾巡行(7月24日):11基の山鉾が巡行。前祭とは逆のコースを進みます。

宵山(7月14日〜16日、21日〜23日):山鉾巡行の前夜祭。夜店が立ち並び、祭りムードが最高潮に達します。山鉾に提灯が灯され、幻想的な雰囲気に包まれます。

神輿渡御(みこしとぎょ):八坂神社から三基の神輿(中御座、東御座、西御座)が繰り出し、京都の街を練り歩きます。17日の神幸祭と24日の還幸祭が特に盛大です。

祇園祭の期間は特別な活気に包まれますが、普段でも境内の雰囲気は格別です。

四季折々の魅力

春(3月〜5月)- 桜の季節

隣接する円山公園の桜が満開となり、特に樹齢約90年のしだれ桜「祇園の夜桜」は圧巻です。夜間はライトアップされ、幻想的な美しさを楽しめます。八坂神社の朱色と桜のピンクのコントラストが美しい季節です。

夏(6月〜8月)- 祇園祭の熱気

7月の祇園祭の熱気に包まれます。境内では様々な行事が行われ、京都の夏の風物詩を体験できます。祭りの期間中は、普段とは全く異なる活気に満ちた雰囲気を楽しめます。

秋(9月〜11月)- 紅葉の彩り

紅葉の季節には、境内の木々が赤や黄色に色づき、朱塗りの建築物との美しいコントラストを楽しめます。特に円山公園との境界付近の紅葉が美しく、秋の京都らしい風景を堪能できます。

冬(12月〜2月)- 初詣の賑わい

大晦日から元旦にかけては、初詣客で大変賑わいます。京都の初詣スポットとして最も人気があり、元旦には数十万人が訪れます。雪が降ると静謐な雰囲気に包まれ、また違った魅力を発見できます。

夜の八坂神社の魅力 – 24時間参拝可能

八坂神社は24時間開放されており、夜の参拝も可能です。日没後は境内が灯籠の柔らかな光に包まれ、昼間とは全く異なる幻想的な雰囲気を醸し出します。

舞殿に吊るされた提灯の灯りが境内を照らし、本殿や西楼門がライトアップされる様子は、まさに幻想的です。人混みを避けてゆっくりと参拝したい方には、早朝(6:00〜7:00頃)または夕方以降の訪問がおすすめです。

夜の八坂神社は写真撮影にも最適で、ライトアップされた西楼門や本殿は特にフォトジェニックです。

拝観情報とアクセス

基本情報

住所:〒605-0073 京都府京都市東山区祇園町北側625
電話:075-561-6155
公式サイト:https://www.yasaka-jinja.or.jp/

参拝時間

境内:24時間自由参拝可能
御朱印授与:9:00〜17:00頃
社務所:9:00〜17:00

拝観料

無料

アクセス方法

電車(おすすめ)

  • 京阪電車「祇園四条駅」:徒歩約5分
  • 阪急電車「河原町駅」:徒歩約8分

バス

  • 京都駅から市バス100系統または206系統で約20分
  • 「祇園」バス停下車すぐ

タクシー

  • 京都駅から約15分、約1,500円

所要時間

  • 境内参拝のみ:約30分
  • 摂末社を含む:約45分〜1時間

周辺の見どころとモデルコース

周辺観光スポット

円山公園(徒歩1分):八坂神社に隣接する京都最古の公園。桜の名所。
花見小路通(徒歩5分):伝統的な町家が立ち並ぶ、祇園を代表する石畳の通り。
知恩院(徒歩10分):日本最大級の三門を持つ浄土宗総本山。
高台寺(徒歩10分):豊臣秀吉とねねゆかりの寺院。
清水寺(徒歩20分):京都を代表する世界遺産。
建仁寺(徒歩10分):京都最古の禅寺。風神雷神図で有名。

おすすめモデルコース

半日コース(3〜4時間)

  1. 八坂神社参拝(45分)
  2. 円山公園散策(30分)
  3. 花見小路散策(30分)
  4. 祇園でランチ
  5. 知恩院または高台寺拝観(1時間)

一日コース(東山エリア)

午前:八坂神社→円山公園→知恩院
午後:高台寺→二年坂・三年坂→清水寺

訪問のコツとマナー

参拝のマナー

  1. 手水の作法:左手→右手→口→左手の柄杓の柄の順で清めます
  2. 拝礼の作法:二礼二拍手一礼が基本です
  3. 服装:神聖な場所ですので、露出の多い服装は控えましょう
  4. 撮影:本殿での撮影は可能ですが、フラッシュは控えましょう

混雑を避けるコツ

  • 早朝(6:00〜8:00)または夕方以降の訪問がおすすめ
  • 平日の方が比較的空いています
  • 祇園祭期間中(特に7月中旬)は大変混雑します
  • 初詣(12月31日〜1月3日)も非常に混雑します

禁止事項

  • ペットの同伴(介助犬を除く)
  • 境内での喫煙
  • ドローンの飛行
  • 自転車での境内乗り入れ

お守りと御朱印

人気のお守り

厄除け守:八坂神社を代表するお守り。素戔嗚尊の厄除けの力が宿ります。
縁結び守:大国主社で授かれる恋愛成就のお守り。
美守(うつくしまもり):美御前社で授かれる美容と芸能上達のお守り。
御朱印:参拝の記念に。複数の種類があり、美御前社や大国主社の御朱印も授かれます。

まとめ

八坂神社は、1350年以上の歴史を持ちながらも、現代の京都の日常に溶け込んでいる特別な場所です。国宝や重要文化財の建築美、多彩なご利益、そして祇園という立地の良さから、京都観光では外せないスポットと言えるでしょう。

24時間いつでも参拝できる開放性と、夜の幻想的な雰囲気は、他の多くの観光地とは異なる魅力です。初めて京都を訪れる方にも、何度目かのリピーターの方にも、新しい発見がある神社です。

祇園の街歩きと合わせて、ぜひ八坂神社で京都の伝統と精神性に触れる体験をしてみてください。厄除け、縁結び、美容祈願など、様々な願いを込めて参拝し、京都の歴史と文化を心ゆくまで満喫してください。


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